2019年05月02日

置いていけない。

さて新元号。

平成のままでいたかった
まるで故人を置いて世の中だけ先に進むような
なんとも言えない感じ
故人と過ごした年月を忘れろと言われているような
なんとも言えない感じ
私は先に進みたくないのだ
なにも置いていきたくないのだ
もちろん執着はよくないとわかっている
着る人のいなくなった衣類や
主がもう決して座ることのない勉強机や、
錆びついてしまった自転車や
そういった物さえも
処分することが故人を忘れてしまうことのように感じて罪悪感さえ感じる

そう思う日々の中で
ある時ふと
物に対する執着が消える瞬間があって
その隙にいくつかの物をゴミ袋に入れて
少しすっきりした部屋を眺めて
これで良かったのだと思って

そうした一瞬の晴れ間を経ても
まだまだ主を喪った物たちは部屋にあって 
そしてまた執着する日々が戻るのだ。

これをあと何回か繰り返したら
部屋は空っぽになるだろう

でもやっぱり
私は先に進みたくないのだ

世の中が新しい時代を祝う中で
こんなことを思っている
ごめんなさい








posted by カナリアハート at 21:20| 個人的なひとりごと。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月01日

レスパイトハウス予定場所を整地しました。

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この赤土の部分は、もともと斜面の段々畑でした。少し畑があって石が積まれてまた畑があって、と斜面を有効に使っていたのでしょう。ミカンの木が一本残っていました。しかし畑をする人がいなくなり、この10数年のうちに、すっかり雑木が生え森のようになっていました。この平らな部分の左側も畑だったところですが、レスパイトハウスを建てる以外の場所にはできるだけ木を残しておきたいので、そのままにしてもらいました。とはいっても、10数年で畑に生えた木はそのほとんどが強い風で倒れたり折れたりするような雑木ばかりですが。。

ちなみに、整地した部分の奥は国有林なので、今後もこのまま森でいてくれると思います。ここに立つと、鳥のさえずりと風に揺れる木々のざわめきしか聞こえないです。この森の向こうに、世界遺産地区(猿と鹿の楽園)と落差88mの大きな滝があります。

残した木々の左側には元々平らな場所があり、私が住まいの準備をしています(木でさえぎられているので、家からハウスが直接見えることはありません)。

普段、私の家の話をここで書かないのは、カナリアハートの活動の一部であると混同されないようにするためです。皆様からお預かりしたご寄付は全てハウスの建築とその後の運営のために使います。報酬や人件費や私自身の生活に使うことはありません。

レスパイトハウスよりも早く我が家は完成し、私が移り住み、それからハウスの建築を見守りたいと思います。

※お一人様が生活できる気持ちの良いハウスの建築についてのアイデアを募集しています。トイレとお風呂とミニキッチン完備、テラスも欲しいです。デザイン料はお支払することはできないのですが、協力者としてお名前を公表させていただきます。



posted by カナリアハート at 10:57| レスパイトハウス進捗状況 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

パンフレット完成しました。

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昨日、完成したパンフレットが届きました。
内容自体はHPの内容とほぼ同じなのですが、それでもやはり印刷された紙媒体は画面で見るHPよりもいっそう把握しやすいのではないかと、アナログ昭和人間としては思うのです。

これまでご寄付いただいた方々にまずはお送りしたいと考えておりますが、住所をご連絡いただいている方ばかりではありません。
メールや電話のみでやりとりしたり、HPをご覧になってご寄付くださった方たちもいらっしゃいます。
もし、ご住所を連絡いただければパンフレットを送付いたしますのでどうぞご連絡ください。

皆様の有形無形の支えによって完成したパンフレットです。大切に配布していきたいと考えております。

このパンフレットには、ご寄付を広く募ると言う目的もありますが、それと同時に、たとえば様々な支援活動をされている方が、相談を受けているご遺族に、このパンフレットをそっと手渡しこういう場所があるということを伝えるアイテムとしても使っていただくことを期待しています。

とはいえ、まだレスパイトハウス、完成していないので^^;;;
引き続きお見守りいただければ幸いです。



posted by カナリアハート at 10:18| カナリアハートの思っていること | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

遺族を殺す刃は。

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少し前の事ですが。

私は、自死遺族が「支援者」を名乗る人物によって酷く傷つけられる場面を目の当たりにしました。

辛い状況にかける言葉もなく同席していた私たちが目にしたのは、おそらく悪意はかけらもない自称「支援者」が、まさに心臓を抉り取るような言葉を放ち、さらに「私もこうしたことを心配する支援者ですから」と自分の正当性をアピールした一部始終でした。

「支援者」と名乗る人物が放った一言は、その場の空気を凍りつかせましたが、当の本人はまったくそのことに気づく様子もなく、自分が正しいことを言っていると信じて疑わない様子でした。

家族の一人を亡くし遺された人たちは、その中でも故人のためになにができるのか必死で模索しています。それを、深海の底を這っている、と表現した方がいましたが、その通りでもあり、時には水面でもがくようでもあり、空気さえ普通に吸う事のできないような気持ちの中、それでもできることをしなければ、と考えます。

しかし自称「支援者」と名乗る人物は、そんな遺族の思いをつゆほども想像できないのでしょう。
少しでも想像できたなら、周りにいた私たちでさえ心臓を抉られるような思いをした、あのような言葉をご遺族にかけられるはずがありません。

動けば動くほど自死遺族は傷つきます。
自死遺族でなくても、少しの想像力があれば、自死遺族と接することはさほど難しいことではないはずなのです。理解しきれないまでも、どれほどの辛さだろうと想像すれば、遺族が傷つくような言葉は出ないでしょう。

想像のかけらもなく、自分の生きてきた価値観のみで、自死遺族に「あなたそんなんじゃだめよ(要約)」と平気で言い放つ人間が少数ですが実際に存在して、多くの共感できる仲間に囲まれていたとしても、そんなごく少数なはずの人物が放つ、ほんの一言で、自死遺族はハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けるのです。

その場で2人ほど、「支援者」に対して強く抗議しましたが、どうして自分が責められるのかわからない、という顔でなおも食い下がるその人物が、またどこかで同じことをするかもしれません。その言葉は刃となっていつか人を殺すでしょう。

posted by カナリアハート at 21:54| いろんなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月27日

パンフレットを製作しています。

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鹿児島市でのシンポジウムの開催準備や、屋久島の敷地の地鎮祭や整地の立ち合いをしたり、ご遺族の裁判の傍聴支援のため札幌に行ったり、3月終わりから劇的に忙しく、ブログの更新が進まない事をまずはお詫びします。

そんな中で、当法人のパンフレットを製作することを決めました。
新聞記事をご覧になったりラジオを聴いてお問い合わせをいただく中で、ホームページやブログをご覧ください、とお伝えすることが多かったのですが、パソコンやスマホを使わない方も意外と多く、そういった方たちにはこちらで印刷した設立趣意書やホームページを印刷したものを郵送させていただく等の対応をしてきました。

そういったお問い合わせにスマートに対応させていただくために、また、どなたかに紹介のためにお渡ししていただくために、やはりパンフレットが必要だという思いに達しました。

皆様からお預かりしているご寄付は、レスパイトハウスを建設するためだけに使うので、パンフレットに使うのも筋違いかと思い、地道にお伝えしていこうと考えておりましたが、やはりパンフレットの製作は必要であるとの結論に達しました。ご理解いただければ幸いです。

デザインはじめパンフレット作成に伴う作業のすべては、私の前職時代の元同僚、東日本大震災直後から、支援活動や社会活動を共にしてきた同僚の都筑里美さんが引き受けてくださいました。彼女がパンフレットの必要性を説いてくださったことも大きな理由です。

彼女はパンフレット制作についてはプロでもあり、発注までを担ってくださいました。通常デザインは技術料が発生しますが(それも躊躇していた大きな理由ですが)、彼女はそれらに関わる技術料を全て寄付という形にしてくださいました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

とりあえず1000部で26000円(デザイン料が通常発生したら倍以上の金額になっていたと思います)という印刷代のみの負担で製作することが可能になりました。

ご寄付を募るだけではなく、レスパイトハウスが必要な人に知らせるためにも、パンフレットを活用していきたいと考えております。
なお、もし次にパンフレットを製作する場合には、英訳も掲載されたものにしたいと考えております(HPも英語版を作成したいと考えています)。自死の問題は微妙なニュアンスの問題もありますので、趣旨に賛同いただき、ご協力いただける方を募集しております。

パンフレットは来週早々にも完成する予定です。手元に届いたらまたご報告させていただきます。
レスパイトハウスの主旨に賛同し有形無形にご協力いただいている皆様に、心から感謝申し上げます。

posted by カナリアハート at 13:36| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする