2019年05月06日

鹿児島「学校と子どもの自殺」シンポジウムのご報告

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(登壇された元鹿大教員の内沢達さんの講演に聞き入る参加者の方々)

子どもの日を翌日に控えた五月晴れの5月4日。かごしま県民交流センターで開催したシンポジウムは、無事終了しました。

事前申し込みは30名にも満たなかったため、資料を余裕をもって50部用意しておりましたが、思いがけず当日会場に続々と入ってこられる方々に目を疑ったのが正直なところです。

資料も当然足りず、コンビニにコピーに走ってもらいなんとかしのぎました。

鹿児島で、またその近隣においてこれほどの方たちが、学校問題について関心をもち、何かできることはないかと真剣にとりくんでいるのだということは、参加者の方たちが誰一人下を向かず(資料を見る以外は)、登壇者の顔を真剣に見つめ話を聞く様子からも見て取れました。

これもひとえに、当シンポジウムの告知に協力くださった新聞各紙や、ツイッターやfacebook等で拡散に協力くださった皆様のお力に寄るものです。登壇者の皆様の話を聞いてみたい、という強い関心をもつ鹿児島の方々にこれらの告知が届いた結果です。

昨年設立したばかりの当法人、しかも理事3名のみというミニマムな法人がシンポジウムを企画することに大きな不安がありましたが、多くの協力をいただき、鹿児島の底力を垣間見た会ともなりました。

改めて皆さまに心から感謝申し上げます。

さて、シンポジウム当日の様子をご報告します。
まずは、2011年に発生しながらも未だ裁判で闘う出水市立中学校のいじめ自殺事件ご遺族の苦しい胸の内を発表していただき、その後当初から変わらず支援を続けられている支援団体による経緯の発表がありました。

そして高校生の息子さんを亡くされたお母さんからは、遺された者の心を想像してほしいと願う発表がありました。
照明を控えめにした会場で、訥々と語るお母さんの絞り出すような声に、会場のだれもがまさに身じろぎさえせず聞き入ってくださいました。

次に奄美市立中学校で指導死により自殺した生徒さんのお父さんの発表がありました。
我が子の死についての思いをここまでストレートに聞く機会は本当に貴重でもあり、二度とあってはならない事と感じていただけたのではと思います。

その後に、2015年に発生した奄美市の指導死事案について、第三者委員会の委員長を務められた元鹿児島大学(教育学)の内沢達さんに、学校と子どもと自殺という取り返しのつかない事態になってしまう問題がどこにあるのかなど、広く、そして関心がありながらもこうした話を初めて聞く人たちにもわかりやすくお話してくださいました。

それから、奄美の事案を受任された代理人弁護士さんの経緯や、学校事件を受任する際の思いなどをお聴きすることができました。

その後は、奄美の事案の調査委員会の委員を務められた柳弁護士を交え、調査委員会を進める際の気持ちをお聴きできたり、代理人弁護士と調査委員会との険悪になりかねない関係でありながら、何よりも亡くなった子どもさんの事を第一にという共通の思いでこれだけ素晴らしい関係性を築き上げご遺族の「知りたい」と願う思いに応えながら、学校現場での再発防止につながる結論が出たのだと改めて知ることができました。

今回ご協力くださったすべての方に心からお礼申し上げます。



朝日新聞鹿児島版 掲載記事
https://digital.asahi.com/articles/ASM543TV5M54TLTB004.html
読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20190504-OYTNT50055/
南海日日新聞社
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190505-00010000-nankainn-l46&fbclid=IwAR3zWcyslPYtI1alvRQw9fZqB6JeYnJBF1ggBStPMPzhAZepK95DckgyU1E




posted by カナリアハート at 13:43| いろんなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

遺族を殺す刃は。

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少し前の事ですが。

私は、自死遺族が「支援者」を名乗る人物によって酷く傷つけられる場面を目の当たりにしました。

辛い状況にかける言葉もなく同席していた私たちが目にしたのは、おそらく悪意はかけらもない自称「支援者」が、まさに心臓を抉り取るような言葉を放ち、さらに「私もこうしたことを心配する支援者ですから」と自分の正当性をアピールした一部始終でした。

「支援者」と名乗る人物が放った一言は、その場の空気を凍りつかせましたが、当の本人はまったくそのことに気づく様子もなく、自分が正しいことを言っていると信じて疑わない様子でした。

家族の一人を亡くし遺された人たちは、その中でも故人のためになにができるのか必死で模索しています。それを、深海の底を這っている、と表現した方がいましたが、その通りでもあり、時には水面でもがくようでもあり、空気さえ普通に吸う事のできないような気持ちの中、それでもできることをしなければ、と考えます。

しかし自称「支援者」と名乗る人物は、そんな遺族の思いをつゆほども想像できないのでしょう。
少しでも想像できたなら、周りにいた私たちでさえ心臓を抉られるような思いをした、あのような言葉をご遺族にかけられるはずがありません。

動けば動くほど自死遺族は傷つきます。
自死遺族でなくても、少しの想像力があれば、自死遺族と接することはさほど難しいことではないはずなのです。理解しきれないまでも、どれほどの辛さだろうと想像すれば、遺族が傷つくような言葉は出ないでしょう。

想像のかけらもなく、自分の生きてきた価値観のみで、自死遺族に「あなたそんなんじゃだめよ(要約)」と平気で言い放つ人間が少数ですが実際に存在して、多くの共感できる仲間に囲まれていたとしても、そんなごく少数なはずの人物が放つ、ほんの一言で、自死遺族はハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けるのです。

その場で2人ほど、「支援者」に対して強く抗議しましたが、どうして自分が責められるのかわからない、という顔でなおも食い下がるその人物が、またどこかで同じことをするかもしれません。その言葉は刃となっていつか人を殺すでしょう。

posted by カナリアハート at 21:54| いろんなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月05日

ご寄付の状況について【2019年4月1日現在】

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当ブログをご覧いただいている皆様、いつもレスパイトハウスプロジェクトに関心をお寄せくださりありがとうございます。
直近では、3月29日に、朝日新聞の西日本版に当法人についての紹介記事を掲載していただき、大阪、広島などから問い合わせやご寄付の申し出などいただいております。ありがたいことです。
現在のご寄付の総額をお知らせします。

【2019年4月1日現在】ご寄付総額:5,065,009円(利子含む)
皆様の共感のお気持ちが何よりの励みになります。心から感謝申し上げると共に、引き続きお見守りいただけますようお願い申し上げます。


*****ご寄付のご協力のお願い*****

【目標金額設定に関するお詫び】プロジェクト開始時には目標金額を500万円と設定しておりましたが、それは建物本体のみの予算で、浄化槽や水道電気等の工事を含めると、まだ建築費用に達しておりません。近々工務店さんと打ち合わせをしますので、建築にかかる具体的な費用をお知らせいたしますが、宿泊に必要な身の回りの物を揃えたりするために、目標金額を1千万円に再設定しました。ご理解ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

※1)全ての理事は一切の報酬なしで活動しております。ご寄付は全額、宿泊施設の建設及び運営費、また遺族支援に関する諸々の費用(当法人定款に基づく)としてのみ使わせていただきます。使途は全て公開します。
※2)万が一、目的が達成されず法人が解散された場合には当法人定款に則り資産を売却し非営利の遺族支援団体等に全額寄付します。
※3)一般社団法人のため、寄付控除は受けられません事をご承知おきください。
※4)領収書やお礼状、経過報告(ニュースレター等)の送付をいたしたく、差し支えなければお名前やご住所等、当ホームページのメールフォームより連絡いただければ幸いです。
※5)ご寄付の時点で、上記の内容にご了承いただいたとし、その後の返金はいたしかねます事をご了承ください。

◇ゆうちょ銀行 
◆ゆうちょの口座よりお振込みの場合、現金でお振込みの場合
 記号:12000  番号:22912461
◆他行よりお振込みの場合
 店名:二〇八(ニゼロハチ) 店番:208  (普通)口座番号:2291246

◇岡崎信用金庫 半城土(はじょうど)支店
 口座番号:9035435   

◇住信SBIネット銀行
 支店名:法人第一支店   支店番号:106   口座番号:1312008

(名義はどれも「一般社団法人カナリアハート」です) 

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自死遺族と、遺族を取り巻く方々、そして共感していただける方々のご協力によってレスパイトハウスを作り運営することが目標です。
posted by カナリアハート at 15:12| いろんなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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