(登壇された元鹿大教員の内沢達さんの講演に聞き入る参加者の方々)
子どもの日を翌日に控えた五月晴れの5月4日。かごしま県民交流センターで開催したシンポジウムは、無事終了しました。
事前申し込みは30名にも満たなかったため、資料を余裕をもって50部用意しておりましたが、思いがけず当日会場に続々と入ってこられる方々に目を疑ったのが正直なところです。
資料も当然足りず、コンビニにコピーに走ってもらいなんとかしのぎました。
鹿児島で、またその近隣においてこれほどの方たちが、学校問題について関心をもち、何かできることはないかと真剣にとりくんでいるのだということは、参加者の方たちが誰一人下を向かず(資料を見る以外は)、登壇者の顔を真剣に見つめ話を聞く様子からも見て取れました。
これもひとえに、当シンポジウムの告知に協力くださった新聞各紙や、ツイッターやfacebook等で拡散に協力くださった皆様のお力に寄るものです。登壇者の皆様の話を聞いてみたい、という強い関心をもつ鹿児島の方々にこれらの告知が届いた結果です。
昨年設立したばかりの当法人、しかも理事3名のみというミニマムな法人がシンポジウムを企画することに大きな不安がありましたが、多くの協力をいただき、鹿児島の底力を垣間見た会ともなりました。
改めて皆さまに心から感謝申し上げます。
さて、シンポジウム当日の様子をご報告します。
まずは、2011年に発生しながらも未だ裁判で闘う出水市立中学校のいじめ自殺事件ご遺族の苦しい胸の内を発表していただき、その後当初から変わらず支援を続けられている支援団体による経緯の発表がありました。
そして高校生の息子さんを亡くされたお母さんからは、遺された者の心を想像してほしいと願う発表がありました。
照明を控えめにした会場で、訥々と語るお母さんの絞り出すような声に、会場のだれもがまさに身じろぎさえせず聞き入ってくださいました。
次に奄美市立中学校で指導死により自殺した生徒さんのお父さんの発表がありました。
我が子の死についての思いをここまでストレートに聞く機会は本当に貴重でもあり、二度とあってはならない事と感じていただけたのではと思います。
その後に、2015年に発生した奄美市の指導死事案について、第三者委員会の委員長を務められた元鹿児島大学(教育学)の内沢達さんに、学校と子どもと自殺という取り返しのつかない事態になってしまう問題がどこにあるのかなど、広く、そして関心がありながらもこうした話を初めて聞く人たちにもわかりやすくお話してくださいました。
それから、奄美の事案を受任された代理人弁護士さんの経緯や、学校事件を受任する際の思いなどをお聴きすることができました。
その後は、奄美の事案の調査委員会の委員を務められた柳弁護士を交え、調査委員会を進める際の気持ちをお聴きできたり、代理人弁護士と調査委員会との険悪になりかねない関係でありながら、何よりも亡くなった子どもさんの事を第一にという共通の思いでこれだけ素晴らしい関係性を築き上げご遺族の「知りたい」と願う思いに応えながら、学校現場での再発防止につながる結論が出たのだと改めて知ることができました。
今回ご協力くださったすべての方に心からお礼申し上げます。
朝日新聞鹿児島版 掲載記事
https://digital.asahi.com/articles/ASM543TV5M54TLTB004.html
読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20190504-OYTNT50055/
南海日日新聞社
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190505-00010000-nankainn-l46&fbclid=IwAR3zWcyslPYtI1alvRQw9fZqB6JeYnJBF1ggBStPMPzhAZepK95DckgyU1E