このブログにアクセスしてくださっている皆様、いつも関心をお寄せいただきありがとうございます。
昨年6月から少しずつ進めてきたレスパイトハウスプロジェクトについて、これまでに様々な方面の方たちからご縁をいただき、少しずつこの取り組みが広がっていることを実感しております。
直近では、先月29日の朝日新聞朝刊にレスパイトプロジェクトについての記事を掲載していただきました。西日本限定の記事でしたが、記事中で6月1日に開催予定のこの講演会についても紹介していただきました。
これは5年ほど前から仲良くさせていただいている自死遺族の分かち合いの会「ふきのとうの会」の竹井様から、お声掛けいただき実現する運びとなりました。
正直なところ次男に会えないこの8年間は、それまでの40年以上の人生で知っていたはずの事がいかに上っ面だったのかを体感した貴重な年月でもありました。計りようもなく深い悲しみがある事を知りました。昨日まで良き友達と思っていた人たちがスーパー等で会っても目を背けることを知りました。一方でほとんど会話したことのない方から励ましのお声をかけていただき驚いたことがありました。
なんて重く、なんて冷たく、そしてなんと暖かい年月だったことでしょう。
次男が亡くなった後、高校野球という花形部活で起きていた顧問の暴力やパワハラ行為を追及したことで、保護者たちが息子の仏前で「子どもは殴られて心が鍛えられる」「監督に預けた我が子が殴られ怪我をしても、我が子を慰め、励まし、また送り出す。それが母親の仕事です」「みんな殴られて耐えている。耐えられなかったお宅の息子さんの問題で、強く育てなかった親の責任でしょう」と言われ幼稚園からのママ友達も、誰一人助けてはくれませんでした。我が子と共に成長した友達が亡くなったという事に人がどれだけ無関心になれるのか身を持って知りました。部活内で起きていた事を口外しないようにと子ども達に強いる大人たちの姿を子ども達はどのように受け止めたでしょう。
一人の生徒が死んだことを、学校とは一切関係のない事にするためになりふり構わぬ大人たちの姿に、私は愕然としました。
その一方で、人の心の痛みを理解してくれる人が思いがけないところから時折あらわれたことに、私はどれほど救われたことでしょう。
地域で、それまで顔見知り程度で接する機会のなかった人に声をかけられ、こんなに人の辛さを思いやれる人だったのだと驚いたこともありました。
人の真価がどこにあるのか、皮肉にも私は次男を亡くした事で初めて知ったのです。
「ふきのとうの会」の竹井様からも、レスパイトハウスについて広く知ってもらう機会になるからどう?と声をかけていただき、協力を申し出ていただけることのありがたさに感謝するばかりです。
講演会では、私自身が我が子を亡くしてからの心の変遷と仕事や家族の話、そして屋久島に移住する決意やレスパイトハウスを作ろうと決めた経緯などお話できればと思います。講演会とはいってもごく小さな規模ですので、気軽に足を運んでいただき、直接質問などしていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
枚方市で活動されている自死遺族わかちあいの会「ふきのとうの会」さんは、毎月1回、分かち合いの会を開催しています。参加者の地域などを限定するものではありませんので、分かち合いの会に関心がおありでしたら一度参加してみてください。