2018年11月08日

取り組みが新聞に掲載されました。

2018年11月1日付中日新聞に、当法人の「レスパイトハウス」についての取り組みが掲載されました。

社会面で、しかもA4サイズの用紙に収まりきらないほど大きく紙面を割いていただき、正直驚きました。
でも、こういう場所が将来的にできることを広く知っていただける事は、「レスパイトハウス」が必要な方に情報が届く可能性が高くなりますし、建築費用のための寄付を募るためにもありがたいご縁となりました。

新聞の影響は絶大ですね。
掲載日の朝から一日10本以上のお電話をいただく事態となりました。

電話のほとんどは50代、60代、もしくは70代以上の方々からです。

スマホやタブレットが普及した現在、直接電話をくださる方たちは、普段からインターネットをあまり使わない方たちのようにお見受けしました。

いろんな方がいらっしゃいます。
親を、夫を、我が子を、それぞれ自死で亡くされたご遺族の方たち、それから、当事者ではないものの記事に関心を持ち励ましの言葉をかけてくださる方、また、屋久島にゆかりのある方たちからも複数、お電話を頂戴しました。
ひとつひとつのお電話に、深い思いを共有したり、励まされたりしました。そのたびに「レスパイトハウス」の取り組みを続けるための力を分けていただきました。

ご寄付も複数頂戴しており、口座への振り込みを確認する度に、どれほどの思いで大事なお金を寄付してくださったのだろうと想像し、毎回涙が溢れます。金額の多寡ではなく、寄付という行動に至るまでの心の中を想像するとどうしても泣けてきます。

しかし正直な事を申しますと、実は批判の電話もいくつかありました。
電話に出た途端、「自殺するような子どもを育てておいて何を偉そうに」と怒鳴りつける男性や、「なにを生意気なことを」と声高に言う女性や、その他もいくつかありました。自死という社会の偏見と、自死遺族と名乗り活動することへの嫌悪感なのでしょうか。家族を自死で亡くしたら、息を潜めるように生活することが社会の美徳とでも言わんばかりの電話もありました。

私自身は、新聞という媒体に掲載された以上は批判の電話にも誠実にお答えするのが責任だと考えていたのですが、さすがに電話に出るのが怖くなり、しばらく留守番電話設定にしてお名前を入れていただき、こちらから折り返す、というワンクッションをおくことにしました。これで全部を防げるものではないと思いますが、多くの共感や励ましのお電話に比べたら批判の電話をいただいてもなお余りあるほどの感謝の気持ちを持っているのです。

批判される内容については、家族をこうして亡くした人たちは必ず自問自答している内容です。何年も何年も「自分にできることはなかったのか」「自分の子育てが間違っていたのか」「妻としての自分の接し方に問題があったのか」と考えないご遺族は皆無だと思います。
そうした遺族の心を想像することは、そんなに難しいことなのでしょうか。

もちろん、遺族当事者にもさまざまな考え方の方もいて、やはり、自死を公表することは個人を冒涜するものだ、静かに悼むものだ、というお考えの方もいて、そういう方にとっては、私のように「自分は悲しいんだ、みんなも悲しいでしょ?」と訴える様子を見ると、辛さが増すかもしれません。そうした方に対しては、申し訳ないと思っています。

でも、誰もが自分なりの悼み方を尊重される社会になることを願います。

次の記事で、中日新聞に掲載された記事をご紹介したいと思います。













posted by カナリアハート at 15:19| いろんなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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