2018年10月16日

ホームページ公開から1週間が経ちました。

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ブログをご覧くださっている皆様、こんにちは。カナリアハートの山田です。

一般社団法人カナリアハートの「レスパイトハウスプロジェクト(旧名称:サンクチュアリプロジェクト)」を公開してから1週間経ちました。

驚く事に、既に複数のご寄付を頂戴しました(口座への振込、お会いした方からの手渡しによる)。

言ってみれば「こういう事を始めたいんです」という熱い思いだけしか伝わらないようなホームページで、それが本当に可能なのか、確実なものは何もお見せできていないのに、です。

これはひとえに、「こんな場所があったらいいなあ」という思いが決して私の独りよがりではなく、共感していただけたという事だと思います。迅速に行動してくださった方々にはこの場をお借りして改めてお礼申し上げます。

そして何より、ツイッターでのリツィートや、Facebookでの「いいね!」やシェアなど、ネット上でも共感いただいた事を多く知ることができました。まずは皆様のネット上でのご協力あってこそ、広く知っていただく事に繋がり、ご寄付に繋がりました。
皆様のご協力に心から感謝申し上げます。

しかし実際のところ、レスパイトハウスへの需要は果たして本当にあるのでしょうか?

自死遺族をメインにした受け入れ施設は、調べたところ存在しないのですが、「存在しない」は「需要がない」とイコールではないと私は思っています。

なぜなら私自身、何より大事な家族がいてもなお、突然亡くした家族への思いを抱えながらそれまでと同じ生活をし続けることの大変さの中で、一人になりたい時もある、と感じたことが何度もありましたし、知り合った多くのご遺族たちとの交流からも「レスパイトハウス」の必要性は感じていたからです。

でもこうして実際にたった一週間で数人の方からご寄付いただけたという事実に、このプロジェクトへの共感と期待を改めて実感することができました。

私たちは普通の主婦で、専門的な資格も肩書きも何一つありません。なので自分のすることに自信も根拠もありません。
本当に寄付を集めることができるのかと自問自答しながら進めています(ご寄付だけで進める理由は、また別の機会に書きます)が、皆様からのご寄付は、金額の多寡の問題ではなく、共感が目に見えるということ、それは自信のない私たちにとっては何より励まされるのです。地道にコツコツと活動を続け、さらにご寄付を募っていきたいと考えています。

ホームページでは伝えきれていませんが、レスパイトハウスの予定地は、山田の移住予定の住まいの敷地内です。
とはいえ、私の住居もまだできておらず現在進めているところです。完成次第、現在の住まいから引っ越します。
そして、レスパイトハウスの建設を見守りたいと考えております。

もちろん山田の住居は、山田家の資金で建てます。資金の使途を明確にするためにも、レスパイトハウスはトレーラーハウスのように、完全に切り離した施設にします。いずれは水道代、電気代も、カナリアハートから支払ができるようになることが目標です。泊まっていただく方には宿泊に当たり費用は徴収しない予定です。理由は、「行きたいけど、滞在費が工面できない」という理由で、本当に必要な人が使えないという事があってはならないと思っているからです。

受け入れ施設が完成しても、交通費まではこちらで負担することは難しいかもしれないのですが(ご寄付の状況によりますが)、少なくとも滞在している間は費用はかかりません。心配しないで宿泊を「心のお守り」にしていただければと思います。

本当に辛い時には、あそこへ行こう。

いつでも静かに、受け入れる態勢でお待ちできるよう、これからも活動をすすめてまいります。

2018.10.16
山田優美子

※ご寄付を口座にお振込みくださった(もしくはこれから振込をご予定されている)皆様へ。
心からお礼申し上げます。お礼状を送付したいので、もし差し支えなければ、ホームページのメールフォームから、一言メッセージをいただけるとありがたいと思います。個人情報は決して外に出しません。行政や他団体などとはシステムとしてはつながっておらず全く独立した法人ですので、ご安心ください。




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2018年10月10日

“レスパイトハウス”プロジェクト開始します。

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私は2011年6月に、当時高校生だった次男を自殺で亡くした遺族です。
まさか自分が「自死遺族」という立場になるとは、40年以上生きてきた中で一度たりとも想像したこともありませんでした。

しかし実際には、次男が自殺することを止められなかったふがいない親としての後悔と自責の念を持ちながら今なお生き続けています。

なぜ生き続けるのか。
それは、申し訳なくて亡くなった息子に合わせる顔がないという事。そして他にも子ども達がいるからです。
いつか自分が死んだ時、あちらの世界で息子に伝えたいことは
「君を救うことはできなかったけれど、お母さんはその後いろんな勉強をしたよ。少しはマシな人間になったよ」という事。

そして
「おかーさん、結構頑張ったじゃん」
と一言でいいから言って欲しい(果たしてあちらの世界で息子に会えるかどうかわかりませんが)からです。

息子を助けることはできなかったけれど、そのことで多くの気づきを与えられた者として、今できることを。

そう思いながらのこの7年間、数えきれないほどのご遺族の方たちとの交流をしてきました。
そして遺族が死別の悲しみを抱えながら生きていくために必要なものは「時には普段の生活から離れて、時には愛する家族からも離れて、休養できる場」ではないかと思い至りました。

精神科や心療内科、カウンセリングに宗教。そういった立派なものじゃなくて、専門的なものでもなくて、ただ、一人になれる場所さえ
あれば、また私は頑張れる。

そんな思いに共感し理解していただける方と、「レスパイトハウス」を作っていきたいと考えています。
昨日、このブログに先駆けてホームページを公開したところ、さっそく宿泊のお問い合わせをいただきました。
この場所が、小さくてもずっと存在し続け、どうしても辛い時にはあの場所に行こう、と心の支えになる場所を共に作りませんか?

このブログでプロジェクトの進捗状況をお知らせします。
また、自死遺族がどう生きているのか、どう生きていくのか、そんなことも書いて行きたいと思っています。
末永くお付き合いいただければ幸いです。

一般社団法人カナリアハート
代表理事 山田ゆみこ


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